インターネット時代の医療資源‐e-Consultationと難病検索WEBツール
インターネットは私たちの暮らしに不可欠で医学や医療にも大きな影響を与えている。文字情報のデジタル化により教科書や文献、カルテも含めて莫大な情報量の中から短時間で容易にキーワードから検索ができ、コロナによりインターネット遠隔診療も加速された。過去と比較するのもはばかれるが、医師が扱う情報の量と質はひと昔前とは比較にならない。このような時代であっても医師同士のつながりによる情報交換は有用でデジタルでは埋められない人間的な本質が医療現場にはある。また、あふれる量の中から精確・的確な情報を選ぶことは容易ではなく、デジタルの利益を享受するために利用者側には様々なスキルや知識が求められている。そのような見えない負荷が現代の医療の下支えをしていることも忘れてはならない。
本シンポジウム前半では昨今のデジタルテクノロジーの進歩を医師と医療現場に還元することができる二つの事例を紹介する。一つは、遠隔地から症例レベルで専門医にコンサルテーションできるe-Consultationのプラットフォーム、他方は症状から検索できる難病希少疾患データベースWEBサイトである。いずれも先進的なデジタルテクノロジーを背後に持つがユーザーは高度な専門知識も用語も必要としない。クリニックからアクセスできる適時性は忙しい現代の診療現場で有用であろう。シンポジウム後半では難病・希少疾患の模擬症例検討を通して理解を深める。本シンポジウムを通して非専門医でも高度な専門性へアクセスできることを実感していただき、先生方の難病・希少疾患の診断・治療への一助となることを期待する。
・プログラム
オープニング
講演1 山田 裕揮 先生
「難病は場所も医師も選ばない-早期診断、最適治療推進のための専門医発遠隔コンサルの挑戦」
講演2 藤原 豊史 先生
「困った時に使える難病・希少疾患検索WEBツール ~PubCaseFinderとその実演~」
模擬症例検討会
クロージング