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2月18日 (土)

プログラム

抄録





よりよい睡眠を目指して 睡眠障害の最新治療と漢方薬にできること


平成30年度診療報酬改定では、不眠や不安に対するベンゾジアゼピン(BZ)系薬剤の長期処方や多剤併用に対して減算が行われ、BZ系睡眠薬の減量方法(出口戦略)の確立が求められている。しかし、減薬・休薬においては退薬症候の出現が問題となることが多く、現時点で確立されたものはない。不眠症に対する薬物療法において全般的に言えることだが、漢方薬においても睡眠衛生指導を含めた非薬物療法を併用する重要性が繰り返し指摘されている。
薬物療法の選択肢にはBZ系および非BZ系睡眠薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬、漢方薬、OTCなどがあげられる。2014年の「睡眠薬の適正な使⽤と休薬のための診療ガイドライン」では、漢方薬の位置づけは、エビデンスの不足から「推奨しない」となっている。しかし不眠症の保険適応をもつ漢方薬は複数あり、認知機能や筋弛緩作用による転倒、依存形成などBZ系睡眠薬にみられる副作用は少なく、BZ系睡眠薬の減薬・休薬を目的とした代替薬として期待される。本講演では、特に不眠症や神経症に適応があり、睡眠ポリグラフ検査を用いた研究においても睡眠の安定化作用が認められる抑肝散について、その不眠症治療における位置づけと、抑肝散を用いた初期対応および減薬・休薬時の対応、また睡眠衛生指導、不眠症に対する認知行動療法のポイントを含め述べる。

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