診療看護師(NP)の多様性と専門性の検討 −JSNP2022を通して−
2022年11月に藤田医科大学にて第8回日本NP学会学術集会(JSNP2022)が開催された。テーマの『Diversity & Specialty −診療看護師(NP)の多様性と専門性−』に沿い、調査や取り組みを行ったので今回報告する。
調査については,「特定行為研修修了者のアウトカム評価のための全国調査」の単施設での追加調査を行った。対象は当院のFNP(Fujita Nurse Practitioner)11名と、すでに本調査が終了している特定行為研修修了者8名である。「医師との協働の程度」「看護師としての職務満足度」には有意な差はみられなかった。「患者満足度」はFNPの方が有意に高かった。
取り組みについては, 診療科・分野による12のチャプターに分けセッションを組み,セッションを組んだ。またNPにインタビューをするClose-up NPをYoutube配信し,40名にインタビューを行った。長野県伊那市が取り組んでいる医療MaaS(Mobility as a Service)については,第4回医療と介護の総合展(東京)で特別企画を組み,JSNP2022当日にもシンポジウムを開催した。
調査をする中で,NPは医師と協働し専門的知識・技術を提供している場合もあるが,ジェネラリストの能力,看護師としての役割を発揮している場合も多くあった。NPの診療科における働き方,期待される役割は様々であるが,医師や多職種と協働する中で詳細に情報共有をすること,様々なニーズにフレキシブルに対応することが重要だと考える。特に医師との協働については,従来の医師と患者の関わりにNPが入ることで,患者への説明や医療行為の提供がタイムリーに行うことが可能になり,より良い医療,安全・安心な医療の提供に繋がり,患者満足度の向上にも貢献しているだと考える。