総合診療につなぐ これからもっと診療看護師(NP)
いきなりですが、これからの診断学に、診療看護師(NP)*の存在は欠かせないものになるかもしれません。
大学院におけるNP(ナース・プラクティショナー)養成コースで得るべきコンピテンシーとして①包括的な健康アセスメント能力②医療的処置マネジメント能力③熟練した看護実践能力④看護管理能力⑤チームワーク・協働能力⑥医療・保健・福祉システムの活用・開発能力⑦倫理的意思決定能力があります。そうです。診断に係る学びに多くの時間を費やしているのです。しかし、このコースを修了しても「診断」をすることはできません。
それは、医師の「診断」は絶対的医行為の一つとして存在し、看護師には許されていないからです。
でも、患者の最も傍にいる診療看護師(NP)にできることはたくさんあります。その一つが、「診断エラーを減らすための的確な、そして重要な観察情報をタイムリーに医師に提供する」ことだと考えます。
医師の正確かつ迅速な患者中心の診断は、看護師にとってはタイムリーで適切なケアの提供に繋がります。これなくして看護は成り立ちません。
医師と診療看護師(NP)、そして「診断学」。資格や法律が異なることで、一線を越えられないものはありますが、このセッションにおいて、診断学をきっかけに患者への思いを熱く語れればうれしいです。
第9回日本NP学会学術集会は北海道での開催を予定しています。特にプライマリ・ケアに係る診療看護師(NP)と総合診療科で活躍されている医師の皆さまとは、切っても切れない関係にあります。第9回日本NP学会学術集会は、この日本病院総合診療医学会に参加されておられる先生方のお越しを歓迎いたしております。ぜひとも気に留めていただきますよう、お願いいたします。
*保健師助産師看護師法では、診療看護師という分類なく、現行の診療看護師(NP)は日本NP教育大学院協議会による資格認定を受けた者の呼称です。