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2月18日 (土)

プログラム

抄録





[O-001] 大阪歯科大学附属病院におけるSARS-CoV-2ワクチン接種後の抗体価の推移


【背景】
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体価の上昇と持続時間は、新型コロナワクチンの効果を確認する上での重要な指標とされている。大阪歯科大学附属病院内科では2021年6月より、外来患者、職員を対象にArchitect SARS-CoV-2 IgG Ⅱ Quant (Abott Laboratory)を用い、IgG型SARS-CoV-2抗体価を測定している。
【方法】
2回目および3回目接種後の日数と抗体価の関係を示すとともに、ワクチンを2回以上接種後にSARS-CoV-2に自然感染した場合の抗体価の推移に関して検討した。
【結果】
新型コロナワクチンを2回目接種の後、抗体価測定時までに自然感染しなかった対象者56名に対し抗体価測定したところ、2回目接種後日数が経つと、抗体価は低くなる傾向が認められた。抗体価の平均値は 4807.7±6472.6AU/mLであった。
3回目接種の後、抗体価測定時までに自然感染しなかった対象者23名に対し抗体価測定したところ、2回目接種後と同様に接種後の日数が経つと、抗体価は低くなる傾向が認められた。抗体価の平均値は 12617.5±7256.2AU/mLと2回目接種後の抗体価よりは総じて高かった。
ワクチン2回以上接種後に自然感染したのが10例認められた。うち8例では感染後の抗体価が40000AU/mLを超えており、感染後半年以上を経過しても、万単位の抗体価をキープしている例も認められた。
【考察】
SARS-CoV-2抗体価は自然感染が無ければ、2回目接種後経時的に低下する。3回目接種後ブーストされた抗体価もやはり経時的に低下する。一方で2回目接種後にSARS-CoV-2に自然感染すると抗体価は40000AU/mL超まで跳ね上がり、数か月高値が持続する例がある。本邦においてはワクチン接種後の自然感染で既に万単位の抗体価を持つ者が多いと考えられる。
【結語】
SARS-CoV-2抗体価を測定した上で、抗体価が低値の者への優先的なブースター接種が望まれる。

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