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2月18日 (土)

プログラム

抄録





[O-002] SARS-CoV-2ワクチン接種後の抗体価の推移-内科診療所の自費検査から見えてきたもの


【背景】
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する抗体価の上昇と持続時間は、新型コロナワクチンの効果を確認する上での重要な指標とされ、全国の多くの施設で抗体価の自費検査が行われている。
【方法】
Elecsys Anti-SARS-CoV-2 S (Roche Diagnostics)を用いSARS-CoV-2抗体価の自費検査を行なっていた内科診療所の診療記録から、2回目、3回目接種後の日数および年齢と抗体価の関係を示すとともに、ワクチンを2回以上接種後にSARS-CoV-2に自然感染した場合の抗体価に関して検討した。
【結果】
新型コロナワクチンを2回目接種の後40日以内に抗体価を測定した86名において、年齢と抗体価は負の相関を示した。また、2回目接種後の日数と対数変換した抗体価も負の相関を示した(p<0.05)。3回目接種後40日以内に抗体価を測定した31名において、年齢と抗体価は負の相関を示した(p<0.01)。しかし3回目接種後の日数と抗体価は相関を示さなかった。3回目接種後の平均抗体価は20704.9±16820.7 U/mLであり、2回目接種後の平均抗体価1601.9±1297.9 U/mLの10倍以上であった。2回目接種後感染した例では、抗体価が感染後10000U/mLを超える者もあったが、それでも3回目接種を受けていた。3回目または4回目接種後に感染した例もあり、抗体価が感染後数万単位であったが、それでも感染後にさらなるブースター接種を受けていた。
【考察】
2回目または3回目ワクチン接種40日以内に測定したSARS-CoV-2抗体価は年齢と負の相関傾向を示した。2回目接種後の日数と抗体価も負の相関傾向を示した。一方で、本邦においては2回以上のワクチン接種後の自然感染で既に万単位の抗体価を持つにもかかわらず、感染後にさらなるブースター接種を受けた者が多いと考えられた。
【結語】
SARS-CoV-2抗体価を測定した上で、抗体価が低値の者への優先的なブースター接種が望まれる。

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