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2月18日 (土)

プログラム

抄録





[O-007] 漢方によるlong COVIDの倦怠感への対応


【背景・目的】
COVID-19の急性期治療に関するエビデンスは蓄積されつつあるが、COVID-19後遺症であるlong COVID/Post COVID-19 condition (PCC)の、特に最多症状である倦怠感に対する具体的な治療法はまだ確立していない。また、漢方薬による治療は治療選択肢の1つになりえると考えられるが、その使用実態・有効性に関する研究は乏しい。本研究では、日本で発展した漢方薬の、long COVID/PCCによる全身倦怠感の治療に対する処方パターンを明らかにすることを目的とした。
【方法】
岡山大学病院に開設したコロナ・アフターケア外来を2021年2月~2021年12月に受診した患者を対象に、全身倦怠感を伴う症状と漢方薬の処方に着目して後ろ向き観察研究を行なった。195名の受診患者から得られたデータのうち、全身倦怠感とそれに伴う症状を有する患者102名の臨床データを分析した。
【結果】
患者の全身倦怠感に伴う症状としては、味覚異常(28.4%)、嗅覚障害(28.4%)、頭痛(25.5%)、不眠(22.5%)、脱毛(19.6%)、呼吸困難(18.6%)などが多くみられた。漢方薬の処方は全処方数の24.1%(n=609)を占めた。漢方薬の処方頻度が最も高かったのは補中益気湯(71.6%)で、その他は当帰芍薬散、苓桂朮甘湯、十全大補湯、半夏厚朴湯、葛根湯、人参養栄湯、五苓散、六君子湯、桂枝茯苓丸などであった。
【考察】
感染症後の全身倦怠感の病態は、漢方医学では気虚と考えられており、long COVID/PCCにおいてもその補剤による治療が選択された割合が高いと考える。
【結語】
本研究では、long COVID/PCCによる全身倦怠感の治療に対する漢方薬処方パターンを明らかにした。本研究では各漢方薬の治療効果については調査できておらず、さらなる研究が必要である。

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