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2月18日 (土)

プログラム

抄録





[O-013] ゴマアレルギーの合併が疑われたクルミアレルギーの一例


【背景】食物アレルギーでは、アレルゲンに類似する食物でもアレルギーを起こす、交差反応が知られているが、一般的に類似していると考えられる食物間でも実際には交差反応性が低く摂食可能なことがあることはあまり知られていない。既にクルミアレルギーと診断されている患者がゴマアレルギーの合併も疑われたが、実際にはクルミの誤食であり、ゴマの回避が不要であった症例を経験したため、ここに報告する。
【症例】25歳男性
【主訴】ゴマダレ摂取後の呼吸困難、皮疹
【病歴】もともとクルミアレルギーと診断されていた。レストランでゴマダレを摂食した直後に口腔内違和感、顔面、頸部などの膨疹、呼吸困難が出現したため救急外来を受診した。
【所見】顔面全体、頸部全体に軽度の発赤を伴う膨疹あり。眼瞼浮腫、口唇腫脹あり。胸部聴診では明らかなwheezeは聴取されなかった。
【考察】これまでゴマにアレルギーはなかったが、原因としてクルミと同じ種子類のゴマが考えられたためゴマアレルギーの疑い、ゴマの回避となった。しかし、ゴマダレを摂取した店舗へ材料について確認したところゴマダレの中にクルミが含まれており、クルミの誤食であったと診断したため、ゴマの回避を解除できた。
【考察】クルミとゴマは共に種子類であるが、交差反応性は低いため、真にゴマアレルギーかを改めて検討した。既知のアレルゲンであるクルミの誤食が判明したため、ゴマの回避を解除し、不要な回避によるQOLの低下を避けることができた。
【結語】一般的に類似と思われる食物間であっても、交差反応性が高いとは限らないため、正しい知識に基づいたアレルゲンの推定が重要である。

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