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2月18日 (土)

プログラム

抄録





ゴールデングラブ症診断


【戦略名】ゴールデングラブ症診断【背景となる理論・または着想など】野球で落下ギリギリのボールをキャッチする、所謂ファインプレーは確かに観るものを魅了する。しかし、真の名野手は落下地点に先回りし、涼しい顔をしてボールをキャッチする。そんな野手がゴールデングラブ賞を受賞するような名野手である。診断においても同様のことが言えると思う。医療者の多く、または本人すら気づかない変化に気づき、先回りして治療、予防できる医師こそが名医ではないだろうか。疾患によっては、比較的頻度が高く、進行性で、無症候期が長く、症状が出たときには致命的になる、そんな疾患がいくつか存在する。しかし、癌をはじめとした健診でスクリーニングの対象となるようなことはないため、見逃されることが多い。そんな病気を筆者は「ゴールデングラブ症」と、そして、その疾患を発見することができる手法を「ゴールデングラブ症診断」と名付けた。一見簡単に診断できているようで、これらの特徴のある疾患を誰にも気づかれることなく、診断する方法を提案する。【利用できる具体的な状況】代表的なゴールデングラブ症として、筆者はCOPD、肝硬変、大動脈弁狭窄症を挙げている。これらの疾患は有病率自体は国内の研究でも高いことがわかっているが、同時に見逃されていることも多いことがわかっている。いずれの疾患も早期の場合には、自覚に乏しく、特異的な生理検査を行わないと診断ができない。そのため、各疾患の身体所見の特性を深く理解することで、検査閾値を正しく設定することができる。上記以外の疾患で入院となった患者や、外来を受診した患者に、これらの身体所見を確認することで「ゴールデングラブ症診断」が可能となる。この手法を理解しておくことで、入院患者、外来患者、どんな場面でも診断が可能となる。

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