体温のセットポイントに着目した、熱中症と感染症の鑑別ストラテジー
【戦略名】真夏の高体温も、悪寒・戦慄を伴うものは感染症!
【背景となる理論・または着想など】熱中症に代表される外因性の高体温の病態と、敗血症に代表される重篤な感染症に伴う内因性の高体温の病態(発熱)との区別は、しばしば困難である。 特に高齢者で意識障害を伴うようなケースでは尚更であり、診断の遅れ、適切な介入の遅れ(あるいは不要な介入)などが問題となる。 しかし、体温のセットポイントに着目すると、内因性の発熱性疾患では、筋肉での熱産生を亢進させるために、「悪寒・戦慄」を生じることがあるものの、外因性の高体温では、このような機序は見られないはずである。 「悪寒・戦慄」がないことをもって感染症を否定することは、その他の患者同様に難しいが、「悪寒・戦慄」があることは、感染症を強く示唆するはずである。
【利用できる具体的な状況】真夏に高体温の患者が受診した際に、特に高齢者などで感染症を疑う病歴・症状の聴取が十分にできない時や、診断に自信が持てない時