肺エコーを利用した、縦隔気腫の診断戦略
【戦略名】気胸っぽい + 肺エコー正常 = 縦隔気腫
【背景となる理論・または着想など】縦隔気腫は、気胸に似た症状を呈するものの、気胸よりも頻度が低く想起しにくい点や、気胸よりもX線写真で指摘が難しい点などから診断が難しく、診断を確定するためにCTなどの被爆量の多い検査が必要となることが多い。 しかし、肺エコーが気胸に対して高い感度を有することに基づけば、気胸の検査前確率が非常に高いにも関わらず、肺エコーでlung sliding が陽性であるなど気胸を否定する所見が得られた場合には、縦隔気腫を疑うことができる。
【利用できる具体的な状況】若いやせ型の男性の胸痛と呼吸困難など、非常に気胸らしい症状の患者が受診したにも関わらず、肺エコーでlung sliding を認めなかった時、とりあえずCTを撮ってしまうその前に。