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2月18日 (土)

プログラム

抄録





[P-026] 2型糖尿病の合併が非アルコール性脂肪性肝疾患患者の体組成や脂質代謝に与える影響について


【目的】2型糖尿病患者でサルコペニアを合併する頻度が高くなることが報告されている。また,スタチン投与によって糖尿病の有病率が高まるとの報告もみられる。今回,非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) 患者における2型糖尿病の合併が体組成や脂質代謝にどのような影響を与えるかを検討した。

【方法】対象はNAFLD患者57例(男性34例,女性23例)で,2型糖尿病を合併している群としていない群で検査項目を比較・検証した。骨格筋量と体脂肪量はBIA法によって測定し,肝線維化はFIB4-indexを算出して代用した。
【結果】2型糖尿病の合併は男性7例 (20.6%),女性6例 (26.1%)にみられたが,HbA1c>7.0%であったのは女性2例のみであった。年齢は,男性の糖尿病合併群で有意に高値であった (58.1±11.8 vs. 46.0±13.1歳, p=0.0326)。体組成はBMI, 体脂肪率,骨格筋指数いずれも糖尿病合併群と非合併群との間で男女とも有意差はみられなかった。肝病変は男女いずれも血清ALT値に糖尿病合併群と非合併群との間で有意差はみられなかったが,FIB4-Indexは糖尿病を合併した男性で高い傾向にあった (1.21±0.33 vs. 0.99±0.48, p=0.0771)。脂質は女性の糖尿病合併群で血清TG値が有意に低かった (106.7±51.7 vs. 169.5±83.7mg/dl, p=0.0486) が,LDL-C値は男女とも2群間で有意差はみられなかった。HOMA-IR値も男女いずれも糖尿病合併群,非合併群の間で有意差はみられなかった。
【考察・結論】今回の検討で2型糖尿病合併群と合併していない群との間で体組成や脂質代謝に有意差があまりみられなかったのは,合併している糖尿病が大部分は軽症であったことが一因と考えられた。今後,より重度の糖尿病合併例を含めた解析が必要と思われた。




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