“診断の不確実性”に対するロジカルアプローチ~経営学理論で切り拓く新しい診療戦略~
「診断」は病院総合診療医にとって最も重要なトピックの一つであろう。近年、診断過程において医師・患者の双方が「不確実性を感じている」という報告が注目を浴びている。この「診断の不確実性」と向き合うことは、本学術総会のテーマであるDiagnostic excellence の達成に必須であり、日本においても徐々に関心が高まりつつある。認知科学、社会科学とも親和性の高い「診断の不確実性」に関する領域の発展を加速させるためには、学際的な立場から「診断の不確実性」をとらえ直すことが有用と考え本セッションを企画した。
主講演の演者として、名古屋商科大学大学院ビジネススクール教授の北原康富先生をお招きした。世界MBAランキングにおいて国内ランキング1位、起業家養成部門ではアジア1位に輝く同ビジネススクールで教鞭をとられている北原先生に、「不確実性に関する社会科学領域の知見」をご教授いただける。
なお、「診断学」や「不確実性」になじみのない初学者でも安心してご参加いただけるよう、主講演への布石として「不確実性に関する医学領域の知見」を紹介するショートレクチャーをセッション冒頭に企画した。また、“社会科学的発想”を楽しみながら“腹落ち”していただけるよう、「医科学側からの疑問点を提示し、社会科学の観点で御回答いただき、改めて診断学への応用方法を対話する」という往復書簡形式で企画させていただいた。
不確実性への学びを深めつつ、皆さんと共に診断学の新たな一面を切り拓きたい。