うまくまとまらない健康問題への斜め上からの家庭医療学的アプローチ
一般的に身体症状症やMUSは、医療者側に困難感、不安感、不全感をもたらしやすい。こうした健康問題に対して、通常の医学的診断治療のアプローチ法が今ひとつしっくりこない状況をなんとかハンドリングするために必要なスキルとしては、コミュニケーション能力や、マネージメント能力といったふんわりとしたイメージで語られるスキルが多い。俗にいうコミュ力や交渉術といったビジネス系のスキル、あるいは行動経済学のようなあたらしい他学問領域の分野を援用することで確かにうまくいく場合もあるが、うまく切り抜けた感を得るだけにとどまることも多い。今回の発表では、グローバルな家庭医療学の分野で様々に検討・研究されてきたが、日本ではあまり知られていない、以下の臨床的方法論について具体的実践例を交えて紹介したい。*Disease-Illnessモデル
*患者主体(Self)へのアプローチ
*健康生成論の外来診療への統合
*質的看護研究の成果からの援用
*ポップカルチャーからのナラティブ・アプローチ