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2月19日 (日)

プログラム

抄録





[P-090] 初期診断を誤りMRI-ASLにより確定診断したPRESの症例検討


初期診断を誤りMRI-ASL (Arterial Spin Labeling)法でPRES (Posterior Reversible Encephalopathy Syndrome)と診断した症例検討を行った。症例1:異常高血圧&突然会話が成立しなくなり救急搬送。CT、MRI-FLAIR (fluid attenuated inversion recovery)法で異常認めず精神疾患と診断。ASLにて左側頭葉graymatterに限局した異常高信号を認め高血圧性脳症に伴うPRESと診断。画像、症状改善に数ヶ月を要した。症例2:癲癇発作で救急搬送。覚醒後会話が成立せず不穏となる。CT, FLAIR異常認めず精神疾患&癲癇と診断。ASLにて左側頭葉graymatterに異常高信号を認めPRESと診断。症例3:突然両眼が全く見えなくなり救急搬送。CT、眼底、眼圧異常なく精神疾患と診断。ASLで両側後頭葉graymatterに限局した異常高信号を認めPRESと診断。症例4:左片麻痺を主訴に他院で右頭頂葉脳梗塞と診断され紹介入院。病巣がgraymatterに限局しているためASLを行い同部に一致した高信号を認めPRESと診断。症例5:突然の頭痛で発症。CTにてSAHと診断。MRAでは動脈瘤、AVMを認めず。ASLにて両側後頭葉graymatterに限局した異常高信号を認めPRESと診断。治療として感覚性失語&不穏を呈した症例1,2はバルビツレートにより鎮静。症例2-5はレベチラセタム静注し2週間以内に画像、症状共に消失した。PRESは子癇、高血圧性脳症に伴い発症する報告が多いが本症例にように原因不明の症例も多い。発症機序として血液脳関門(BBB)の破綻が推測されているがASL高信号は血流の鬱滞&Graymatter edemaを示唆しBBB破綻説を支持するものであった。PRESは感覚性失語、視覚異常、片麻痺等病変部位に一致した神経症状を呈するため他疾患と誤診し易くMRI (ASL)が診断確定に非常に有用である。

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