HOME

2月19日 (日)

プログラム

抄録





[P-135] 胸痛および背部痛を訴えたSternalis syndrome


【症例】29歳女性
【主訴】胸背部痛
【現病歴】X日の午後、友人宅で子供と遊んでいたら胸背部痛が急に出現した。症状が徐々に増強するとの事で当院受診。
【既往歴】過換気、不妊治療
【身体所見】JCS0、BT36.7℃、HR91/分、RR21/分、BP151/94mmHg、SpO2 100%、頭頚部に特記所見なし、肺音清、心音整、雑音なし、S1→S2→S3-S4-、胸骨中心に左右の肋軟骨付近にかけた圧痛あり、同部位に熱感や発赤・腫脹はなし
【検査結果】ECG:洞調律、80/分、ST-T変化なし、CXR:肺野clear、縦郭拡大なし、エコー:寝室壁運動保たれている、描出範囲で動脈解離所見なし
【経過】病歴経過から、ACSや気胸などを考慮したがいずれも否定的であった。典型的に胸骨圧痛がメインで生じており、Tietze症候群やSternalis症候群が鑑別にあがった。身体診察からも、Sternalis症候群による疼痛と考えられ、NSAIDs処方にて症状軽快した。X+1日に呼吸器科再受診し、胸部CTを行うも、大血管病変は見られず、Sternalis症候群による疼痛と考えられ、対症療法で治療対応となった。
【考察】胸部痛として、ACSや気胸、肋間神経痛、帯状疱疹等が鑑別にあがるが、本症例の様に胸骨を中心とした圧痛が見られ、周囲に関節炎所見に乏しい場合、Sternalis症候群を鑑別に上げる必要がある。認知度が高くない疾患であるため、ドクターショッピングにもつながりかねない為、疾患の認識と文献的考察を踏まえて報告する。

戻る