WSP1-002 グラフト膵摘出に関する次世代への継承

◎伊藤 泰平1  剣持 敬1  栗原 啓1  會田 直弘1
藤田医科大学 医学部 移植・再生医学講座1

次世代へ脳死膵腎グラフト摘出手技を継承するため、以下のポイントに留意している。
【3次評価の留意点】
造影CTあると非常に有用であるが、多くの場合、撮像されていない。
以下、超音波によるポイントを記す。① 腫瘍性病変の有無(腎臓も含めて)② 形態学的異常:脂肪化、繊維化、腫大、膵管拡張、左右腎の大きさ③ 血管走行(肝動脈の変異はないか?(右、中、左肝動脈をそれぞれ肝内末梢側から追うと分かりやすい。)/左副肝動脈の有無(Spiegel葉とS2境界)/左右腎動静脈に変異はないか?/SMAと腎動静脈根部は近くないか?【他チームとの摘出前確認事項】
1.下大静脈カテーテルを入れるか(右肺の摘出の有無)?2.横隔膜上どの位置で下大静脈を切るか(肝,心)?3.肝摘出後,膵腎en blockか?4.肝膵en bloc後,腎採取か?(肝,膵,腎)?5.SMA,SMVをどこで切るか(膵,小腸)?6.GAD, CHA,PVをどこで切るか(肝,膵)【膵腎摘出手技】
膵腎一塊の摘出を基本としている。以下、手順を示す。
①Kocher授動Kocher授動(右腎と膵頭部の切離)、②胃前庭部の切断、③空腸口側の切断、④腸管と腸間膜の切離(小腸から直腸まで)、⑤左右腎の脱転と尿管の確保、⑥膵腎を一塊として椎体より切離、⑦カニュレーション留置レベルでの大動脈、下大静脈の切離
【バックテーブル手技】
①大動脈を背側より観音開きに切離し、内腔の確認、②腎動脈とSMAを境界とし、大動脈壁切離、③左腎と膵体尾部の切離、④大動脈前面組織を切離し、膵腎の分離、⑤左右腎の分離
膵腎摘出手技、バックテーブル手技に関しては、ビデオを供覧して解説する。

r Clinical Engineers. All Rights Reserved.